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ツイッターでのまとめや走り書き

打席に立つ

将棋の羽生善治という人を知らない人間は少ない。
この人は10代でトップになり20年以上経った今でも現役トップである。
去年度の彼は参加10棋戦のうち5つを優勝(タイトル奪取防衛含む)、2つの準優勝(タイトル挑戦者)、2回のベスト4(挑戦者決定戦負け)という他の棋士を凌駕する成績である。
ちなみに、これは去年だけではなくこれを20年近く続けている。
その彼の勝率が72%、年55局のうち39勝している。
当然彼に勝つのは困難であるが、そもそも彼と対局することすら困難である。
彼は基本半分前後のタイトルを所持している。
つまりタイトル戦では挑戦者にならない限り対局は出来ない。
またタイトルを所持していない棋戦の場合は決勝トーナメントやそれに類する決勝リーグに所属している。
そこまで行くのにノーシードの棋士なら10局程度連勝する必要がある。
彼の55局のうち対戦相手は25名(棋士は今年の3/1で160名)
つまり85%の棋士が彼と戦う場すらないのだ。
しかも25名のうち順位戦というランク分けされたリーグで上2つ(合計23名)に所属しない棋士で対局出来たのはわずか6人。
いかに階級の下の棋士が対局出来ないかが解るであろう。

さて長ったらしく羽生善治の話をしたのは羽生善治の凄さを伝えるためではない。
本当のトップと勝負するというのは限られたチャンスだということである。
これは将棋に限った事ではない、大相撲の白鵬本場所戦える力士がどれだけ居る?
昨晩あるポケモンのトッププレーヤーがフレ戦を募集していた。
それもおそらく誰も見たことない新構築だ。
そこで20戦程度行われたが、彼に挑戦した人間は多く見積もっても5人程度だ。
何故残りの人は対戦を挑まない?
例えフレ戦で彼が100%ではないとしても彼と戦う事で得られる物がどれだけ大きいのか。
もちろん彼と同じレベルで常に戦うチャンスが有る人間なら理解は出来る。
しかし、大勢はそうではないだろう。
そのチャンスを見過ごす人間は不思議で仕方ない。

起死回生の逆転ホームランは誰にだって打てるわけじゃない。
当たり前の話だが、ホームランを打てるだけの実力がなければいけない。
それと、もう一つ重要なことがある。それは、逆転の場面で打席に立っているかどうかだ。